「しまくとぅば塾 ちむぐくる」は、沖縄の言葉と心を次世代へ正しく、豊かに受け渡すための学びの場です。
言葉を学ぶことは、地域の歴史やアイデンティティに向き合うことでもあります。 だからこそ私たちは、単なる語学教室の枠を超え、教育活動における「確かな指針」が必要であると考えました。
ここに掲げる『しまくとぅば塾 ちむぐくる憲章』は、しまくとぅば塾 ちむぐくるに従事するすべての講師・スタッフが遵守すべき行動規範であり、受講生の皆様に対する私たちの約束です。
世代間の架け橋となり、互いの文化を尊重し合う。
私たちはこの指針に基づき、責任を持って質の高い学びの環境を提供してまいります。
言葉の背景にある精神までを深く味わう、本質的な学びがここにあります。
言葉は、単なる伝達の道具ではない。それは心を運び、人を育み、地域を照らす光である。 私たち一般社団法人文華樹は、しまくとぅばに宿る精神(ちむぐくる)を受け継ぎ、「想いを繋ぐ、未来へ紡ぐ」ことを使命とする。 ここに私たちの誓いを七つの条文に定め、揺るぎない活動の指針とする。
第一条【融和の架け橋】
私たちは、しまくとぅばを「世代と地域を結ぶ架け橋」と位置づける。 世代の隔たりや、地域的背景による分断を越え、互いに歩み寄ることで、温かな「ちむぐくる」が通い合う場を築く。
第二条【言葉と自己】
私たちは、「言葉はその人を形作る」という信念を持つ。 母なる言葉を学ぶことは、自らの在り方を問い、確かな芯を持つことと同義である。私たちは言葉を通じて自己を磨き、豊かな人間性を涵養する。
第三条【淵源への敬意】
私たちは、言葉を守り抜いてきた先人(ウヤファーフジ)に対し、深き敬意と感謝を捧げる。 歴史の重みや痛みを真摯に受け止め、その奥にある願いを汲み取ることで、根のしっかりとした揺るがない活動を行う。
第四条【共育の精神】
私たちは、教える者と学ぶ者が共に高め合う「ゆいまーる」の精神を重んじる。 知識の多寡に関わらず、互いの歩みを支え合い、失敗を恐れずに挑戦できる寛容な土壌を耕す。
第五条【歓びと命薬】
私たちは、言葉を交わす歓びを活動の原動力とする。 しまくとぅばに触れる時間を、心身を癒やし明日への活力を与える「命薬」の場とし、笑顔と活気に満ちた学びの輪を広げる。
第六条【生きた実践】
私たちは、言葉を知識として留めず、日々の暮らしの中で生かすことを旨とする。 「使うこと」こそが最大の継承であると心得、現代の生活に馴染む形で、生きたしまくとぅばを創造し続ける。
第七条【誇りと共生】
私たちは、自らの文化に深く誇りを持つ。 その誇りを礎として、異なる文化や価値観にも等しく敬意を払い、多様な文化が美しく共生する平和な社会の実現に貢献する。