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「沖縄の文化」特集一覧

沖縄に存在する9つの世界文化遺産――琉球王国のグスク及び関連遺産群一覧

琉球弧の中央に位置する沖縄県は、日本、中国、朝鮮半島、そして東南アジア諸国との交易を通じて、独自の多層的な文化を形成してきました。1945年の沖縄戦による壊滅的な被害を乗り越え、戦後から本土復帰前後にかけて国や県、関係自治体による調査・保存・復元整備が段階的に進められ、その成果は2000年の世界遺産登録という形で国際的な評価を得るに至りました。

2000年12月 ユネスコ世界文化遺産登録
琉球王国のグスク及び関連遺産群

2000年12月2日、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」は、5つのグスク(城跡)と4つの関連遺産(2つの石造建造物、2つの文化的景観)からなる遺産群として、ユネスコ世界文化遺産に登録されました。これらの遺跡は、14〜18世紀に東アジアと東南アジアを結ぶ海上交易国家として栄えた琉球王国の政治・宗教・文化を今に伝えるものとして評価されています。こうした歴史的背景の中で形成された独特の城郭や聖地、王家の施設などの文化体系は、総称して「グスク文化」と呼ばれます。

世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」は、以下の9つの構成資産から成り立っています。

名称所在地概要と歴史的意義
今帰仁城跡今帰仁村北山王の拠城。野面積みの堅牢な城壁が特徴
座喜味城跡読谷村護佐丸による築城。高度な石積みとアーチ門。
勝連城跡うるま市阿麻和利の居城。断崖を利用した難攻不落の要塞。
中城城跡北中城村
中城村
護佐丸の増築。多様な石積み技法が保存されている。
首里城跡那覇市琉球王国の政治・外交・文化の中心。正殿は戦後復元された後、2019年に焼失し、復元工事が進行中。
園比屋武御嶽石門那覇市王家の祈願所。石造でありながら木造の意匠を持つ。
玉陵那覇市第二尚氏王統の陵墓。巨大な石造建築の傑作。
識名園那覇市王家の別邸。廻遊式庭園と中国様式の融合。
斎場御嶽南城市王国最高の聖地。聞得大君の就任儀式が行われた。

今帰仁なきじん城跡

今帰仁城跡

三山時代、北部一帯を治めていた北ほく山ざん王の拠城。

標高約100mに位置し、総延長1.5kmあるという堅牢な城壁が特徴。攀はん安あん知ちの時代に尚しょう巴は志しの中ちゅう山ざん軍に攻められ、北山が滅ぼされて以降も、首里から監守が派遣された。

【今帰仁城跡】
〒905-0428 沖縄県国頭郡今帰仁村字今泊5101

https://www.nakijinjoseki-osi.jp/

座ざ喜き味み城跡

座喜味城跡

築城の名人と言われた護ご佐さ丸まるによる築城。

高度な石積みとアーチ門が特徴で、軍事要塞としての色合いが強い。沖縄戦中は日本軍の高射砲陣地として利用された。

【座喜味城跡】
〒904-0301 沖縄県中頭郡読谷村座喜味708-6

https://www.yomitan-kankou.jp/tourist/watch/1611289699/

勝かつ連れん城跡

勝連城跡

海外貿易で勝連の地に繁栄をもたらした阿あ麻ま和わ利りの居城として知られる。

丘陵地形の高低差を利用した難攻不落の要塞として名高いばかりでなく、2016年9月に3〜4世紀のローマ帝国のコインが出土したことで注目を集めた。

【勝連城跡】
〒904-2311 沖縄県うるま市勝連南風原3807-2
https://www.katsuren-jo.jp/

中なか城ぐすく城跡

中城城跡

14世紀中頃に先中城按司の一族が石積の城を築き始め、1440年頃、首里王府の命によって座喜味城から移った護佐丸が三の郭と北の郭を増築、完成させた城。

石をそのまま積む「野の面づら積み」(南の郭)、石を直方体に切って積む「布積み」(正門〜一の郭、二の郭)、石を多角形に切って隙間のないよう組み合わせながら積んでいく「相あい方かた積み」(三の郭、北の郭)の3種の石積み技法が保存されている。

【中城城跡】
〒901-2402 沖縄県中頭郡中城村字泊1258番地

https://www.nakagusuku-jo.jp/

首しゅ里り城跡

首里城正殿

琉球王国の政治・外交・文化の中心。
日本と中国の建築文化を組み合わせたような琉球風の正殿や、薩摩の役人を接待した日本式の南殿、中国からの冊封使が滞在した中国式の北殿など、日中の建築文化の影響を色濃く受けている。

世界遺産として登録されているのは登録時点での建物ではなく、首里城基き壇だん(=建物を支える土台)の遺構。

【首里城公園】
〒903-0815 沖縄県那覇市首里金城町1-2

https://oki-park.jp/shurijo/

園その比屋武ひゃん御嶽うたき石いし門もん

園比屋武御嶽石門

首里城の守礼門脇にある石門。奥に広がる森が御嶽うたきになっており、国王が出かける際に安全祈願を行なっていた場所とされる。
園比屋武御嶽石門は1519年に築かれた。

【園比屋武御嶽石門(首里城公園内)】
〒903-0816 沖縄県那覇市首里真和志1-7 付近首里城公園内

https://oki-park.jp/shurijo/about/189

玉陵たまうどぅん

玉陵

第二尚氏王統の陵墓。
1501年、第二尚氏王統第3代王の尚しょう真しん王おうが、父である尚しょう円えん王おうの遺骨を移葬するために築いたとされる。沖縄戦で破壊されたものの復元され、1972年に国指定文化財(史跡)となる。2018年には沖縄県内で建造物初の国宝に指定された。
併設されている資料館「奉円館」の地下で、玉陵の概要や内部の様子、厨子甕(=骨壷)、琉球の葬送の様子についての展示を見ることができる。

【玉陵】
〒903-0815 那覇市首里金城町1-3

https://oki-park.jp/shurijo/shuri-aruki/siseki/2014/03/post-72.html

識しき名な園えん

識名園

1799年尚しょう温おん王おうの時代に造営されたとされる王家の別邸。
王族の保養と冊封使を接待する迎賓館としての役割を持つ。沖縄戦で破壊されたものの1975年から20年かけて復元された。

池の周りを歩きながら景色を楽しむ日本風の「廻遊式庭園」と、中国風の東屋や石橋様式、琉球独特の石畳や赤瓦の御殿うどぅんなど、琉球・日本・中国の様式が融合されている。

【識名園】
〒902-0072 沖縄県那覇市真地421−7

https://www.naha-contentsdb.jp/spot/690

斎場せーふぁ御嶽うたき

斎場御嶽

神の島とされる久高島※を遥拝する琉球最高の聖地。琉球の最高神女「聞得きこえ大おお君きみ」の就任式「御お新あら下うり」が行われた。

※久高島……琉球神話における創世神アマミキヨが神の世界(ニライカナイ)から降り立ち、国づくりを始めたとされる聖地

【斎場御嶽】
〒901-1511 沖縄県南城市知念字久手堅539

https://okinawa-nanjo.jp/sefa/
これらの遺跡群は、単なる城跡や史跡の集合ではありません。グスク、聖地(御嶽)、王家の施設、庭園などが一体となり、琉球王国の政治・宗教・文化の体系を今に伝える文化遺産なのです。
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